新しい企画展「ドールという変移する記号」をご紹介いたします。
人形作家の一実さんが主峰を務める「秋保ひとがた文化研究室」が主催の『人形』- 『ひとがた』をテーマにした展示です。
「秋保ひとがた文化研究室」では昨年ウェブサイト「ひとがた通信」を開設し、『ひとがた』をテーマに人形に携わる方々にインタビューしたラジオ番組などを発信しています。https://akiu-hitogata.com/
今回は美術館1階で創作人形と「ひとがた」をテーマにした作品の展示、人形館2階 企画展示室では「ひとがた談話室」と称して玩具としての人形の紹介や、参加アーティストのおすすめの「ひとがた」にまつわる資料を紹介し、「ひとがた」を紐解いていく展示室なっております。
今回は宮城県在住の創作人形作家の作品展を美術館で開催するという、おそらく初めての企画展となっております。この機会をお見逃しなく。
ひとがた通信展
「ドールという変移する記号」
2021年11月13日(土)-12月12日(日)
10:00-17:00[月曜定休]
*11/21までは21時まで営業
【人形・立体】
阿部真沙央
一実
叶きりく
さくまいずみ
しょうじこずえ
睡眠
大吉
芽々木
【平面】
越後しの
恐山R
川村千紘
せん
ヒラギノ
主催:秋保ひとがた文化研究室
助成:(公財)仙台市市民文化事業団
美術展『ドールという変移する記号』
現在、人形の訳語として使われる「ドール」は歴史が浅く、玩具としての人形を指すことが多いようです。ドールが発生する以前には操り人形を指す「パペット」がありました。「パペット」は呪術的な小さい人形を指す「ポペット」を語源としています。こうした一例から、人形の存在が歴史の中で変化してきたことが想像できます。
かつて、祓除としての役割を担い、扱われてきた人形たち。現代では、鑑賞用から玩具まで多種多様な人形が作られています。なかでも、日本の創作人形においては、球体関節人形などが独自の変化をし様々な表現が見られます。
本展覧会では、創作人形とひとがたをモチーフにした作品が並びます。
私たちは人形と向き合うとき、「ひとがた」という象徴に潜在する役割を改めて想像することでしょう。そして同時に作家が「ひとがた」と対峙した際に生まれる情念も感じるはずです。
人形の訳語として定着した「ドール」。私たち人間の営みのなかで、今後も人形の存在は変わり続けるかもしれません。「ひとがた」という象徴を広く見つめ直しながら、その意義を考えていければと思います。
【ひとがた談話室】
ひとがた談話室では、普段の生活で感じる問題など、深い人形の世界を通じて発信していきます。
今回は主に「ドール」に焦点をあてた部屋を用意しました。
ドールハウスや着せ替え人形など、玩具として体感できるものを制作し設置しています。
また、創作という手付きへの関連性をみるために、美術展に参加している作家のおすすめ人形関連の書籍などを紹介しています。さらに合わせて、ひとがた通信webサイトでは漫画やインタビューなど作家の生の声を聞くこともできます。
私たちの身近にある「ひとがた」の存在を少しでも紐解いてただけるよう、ご高覧いただけますと幸いです。