藤本昌一郎 展「具象・抽象・その間」はご好評いただき、終了致しました。
本6月18日から、人形館2階企画展示室では久しぶりに「酒の三太郎 原画展」が始まりました、
7/27(土)まで開催いたします。
佐々木正芳が48年前に描いた、宮城の民話絵本の挿し絵です。宮城の方言がかなりディープに使われており、宮城の人でも分からない部分もあったりします。また、同時のエスキースなどもご覧いただけます。
キャプションでさわりの部分を紹介しております。つづきは佐々木美術館でお待ちしております。奇想天外な物語をお楽しみください。
佐々木正芳「酒の三太郎 原画展」
2024/6/18(火)〜7/27(土)
10:00〜17:00
月曜休館(祝日の場合は営業、翌日休み)
人形館2階企画展示室


あったずもな
三太郎という
うんと酒この好きな人がいたと。
家のまえにごせんぞさまが
うえた
おっきな柿の木があって
まいねんうめえ柿が
いっぺえ なるんだと。

柿を見上げて
一つ味こみでなぁ
どれがよかんべなあとおもってたらおっきな柿が一つあたまの上さ
ぼとっとおってきて
べしゃっとつぶれたと。

てっきり血がふきでたとおもってとんできて
てぬぐいでぎりっとゆつけたと。
三太郎がてぬぐいをとっぺとしたら
「また血がでたら
てえへんだだめだだめだ」
おがっつあんはなじょしてもとらせなかったと。

二、三にちしたら
三太郎のあたまの上から
柿の芽がでてきたと。

おがってがっしりとねっこがはったと。
「おがっつあん
なじょすつぺや」
三太郎はだんだん
あたまが
おもくなってくるんで気が気でなかったと。