今日から始まりました「佐々木あゆみ 蠟画展」
佐々木あゆみは佐々木正芳の亡くなった妻です。今回の蠟画展の作品はとても古い作品ですが、佐々木あゆみのの魅力が詰まった作品です。5人の子供の子育てと事業の経営、そして自らの作品作りをこなしていたことは、同じ子を持つ身となると頭が下がる思いです。文末に今回の展示のあいさつ文を添付しました。興味がある方はお読みください。
佐々木あゆみ蠟画展
2107年3月28日(火)~5月7日(日) 10:00~17:00
秋保の杜 佐々木美術館&人形館 人形館2F企画展示室
佐々木あゆみ 蠟画展
この度、「佐々木あゆみ 蠟画展」を企画するにあたり、佐々木正芳と兄と私とで、古い佐々木あゆみの蠟画を引っ張り出し、向きはどうだ?こちらが古いのかなどと吟味しながら、作成当時に思いをはせてみた。佐々木正芳と出会い5人の子供を授かり、絵画教室(幼稚園)を開き子供たちに絵を教えながら事務方をこなし、自らの作品を描く。大きなお腹でキッチンのテーブルで作品を描いていたそうである。目の粗い紙に蜜蠟を塗り、そこに墨を塗ると蠟部分は墨をはじく。ダーマット鉛筆で描き加えたり剃刀で蠟を削ぎ落したりしながら仕上げていく。蠟画は、油彩画に比べ時間も場所もとらずに制作できたのであろう。
佐々木あゆみは佐々木正芳の絵画の一番の理解者であった。「佐々木正芳の絵には哲学がある。いつか美術館を建てて皆に広めたい。」その構想が現実になったのは、あゆみが亡くなってから二年経つときであった。
生前「私の絵は並べないでいい。」と言っていたが、普段はおとなしく見えた佐々木あゆみの、内に秘めた狂気にも似た世界観、その中に見えてくる激しいエネルギーとバイタリティを皆様にも感じて頂きたい。
2017年3月28日 秋保の杜佐々木美術館&人形館 館長 佐々木克真