2018年12月から冬季予約営業中だった佐々木美術館も、2019年3月1日(金)より通常営業を開始いたします。
2019年の最初の企画展は、人形館2階 企画展示室での
「亥展」-森のそばに住んでいる- 2019年3/1(金)~4/14(日) 10:00~17:00
展示室を森にして、いろんな作家の作品を展示するとともに、猪と森と里山、人間とのかかわりについて考える展示にしたいです。是非皆様お誘いあわせの上お越しください!
また、3/23(土)17:00~「猪・森・里山を語り、いただく」という会を開きます。その名の通りイノシシや里山の事を考えて、懇親会でイノシシ肉料理を味わうイベントです。参加費は懇親会込みで¥2.500です。定員は30~40名程度。またとない機会ですので、皆様のご予約お待ちしています。フライヤーの内容を下記にて詳細を書いていますので、興味がある方はお読みください。
「亥展」を開催するにあたって
2019年の干支であるイノシシ。佐々木美術館の近辺でも度々目撃することがあります。干支の動物は縁起が良いとされていますが、秋保地区に限らずイノシシは田畑を荒らす害獣の代表格になっています。
1970年代までは生息域の北限が福島と宮城の県境付近だったのが、2000年代から宮城県中部や北部、さらに近年では岩手県や山形県、秋田県でも目撃や捕獲されているといいます。
秋保でもイノシシの被害は深刻で、イモ類やカボチャなどが主に被害にあっています。「野菜を作っても作っただけ食われるからもうやめた」という言葉も聞こえてきています。
秋保地区では数年前に居住区や田畑と山間部との境界に、鉄柵を張り巡らす事業を行い、一定期間イノシシの害が激減するという効果を得ることが出来ました。しかし倒木や劣化などのほころびや、イノシシにこじ開けられたりして、柵内にイノシシが侵入して農作物を荒らす事例が頻繁に起こるようになってきました。
そして柵の外に人間が踏み入ることが難しくなったことで、より生活圏に近いところでイノシシが暮らしているような気がします。
「亥展」ではイノシシや森にまつわる作品を展示すると同時に人間とイノシシとのかかわり方も考える展示にしたいと思います。

イノシシと里山
イノシシの生態分布の北上は、恐らく地球温暖化と関連があることも予想されが、人間が山に入らなくなったことも、分布の拡大につながっているのではないか、と考えることがあります。近年の日本では建材は安い輸入木材を使用することが多く、燃料も化石燃料や電気を使っています。薪や建材に使われなくなった樹木は老齢化や密集により立ち枯れてしまい、ツタ類や笹竹がはびこり薮化して、見通しが悪く死角となり、獣たちの格好の隠れ家となっています。また、衰弱した木や切り倒して放置した木は、キクイムシなどの害虫の発生を進めています。健全に育っていない樹木はドングリなどの、動物たちの餌となる木の実の生育も悪くしているようです。
イノシシの被害を考え、調べていくと、里山を健全にしていくことが人間にも野生生物たちにも良い環境になっていくのではないか。と考えています。

食肉としてのイノシシ
適切に処理されたイノシシ肉は大変美味です。食肉として活用することが出来れば、もっと積極的に捕獲することになるかもしれません。
しかし、現時点での宮城県産のイノシシ肉は、福島第一原発の事故による放射性物質の汚染により、食肉として流通することは禁止されています。県内に一頭でも100bq/㎏の数値を超えると出荷できません。

出品者
浅野 託矢・あべ いづみ・一実・幾何学えかき あまの・佐々木 草太朗・佐々木 正芳・スギサキ マサノリ・せん・chica-bou・MARWIN★・村山 耕二・LOW-TECH-KING
「猪・森・里山を語り、いただく。」
3/23(土) 17:00~ 参加費¥2.500
第一部:ディスカッション 講師/佐藤修氏(緑を守り育てる宮城県連絡会議 事務局長)
第二部:懇親会「 イノシシ肉をいただく」フード/萱森有希
(流通可能な地域の肉を使用します)